自然の奇跡
高い山の樹が冬になると雪が積もって自然の雪だるまのようにみえることがあります。樹氷と呼ばれています。 樹氷というと日本では蔵王が有名です。
八甲田山
日本で樹氷がみれる場所は限られています。東北では、蔵王、森吉山、西吾妻、八甲田でみることができます。 八甲田の樹氷は標高1300mほどにある青森トドマツに氷が付着して成長したものです。
八甲田スキー場にあるロープウェイで山麓から15分ほどで山頂駅に着くと、目の前に多数の樹氷が広がります。 スキーヤーは、この樹氷の間を滑ることができます。
雪が積もったものではない
樹氷は樹に雪が積もってできると思われがちですが、実は空気中の水蒸気が枝などにぶつかって氷ができて大きく成長したものです。 氷に更に水蒸気がぶつかって連続的に氷が成長していくと、まるでエビの尻尾のような姿になります。 エビの尻尾は風下方向に伸びていきます。 だから樹全体が氷で覆われて一つの雪だるまのようにならなくても樹氷と呼ばれます。
空気中の水蒸気が多すぎると雪になってしまいます。適度な水分を含む空気と、気温や風、標高などの条件が揃わないと発生しません。 樹氷は自然が生んだ奇跡なんです。
条件さえ揃えば東北以外でも樹氷は発生します。三重県の御在所岳でも稀にみることができます。
八甲田が晴れていれば、ロープウェイ山頂駅からは樹氷に加えて、青森市や陸奥湾、更にやや離れて西側には岩木山を臨むこともできます。 ただ山頂駅は標高も高く、気温も低いため冬の装備をしておくことを勧めます。
地球温暖化の影響は忍び寄っています。冬にしか出会えない、もしかすると“いま”しか出会えないかもしれない。 そんな奇跡をあなたも体験することができます。