恐山

恐山

昔から霊山として有名な恐山は、カルデラ湖を囲む外輪山から成る活火山です。 外輪山の一つがむつ市内からもよくみえる釜伏山(かまぶせやま)です。

恐山菩提寺や宇曽利湖(うそりこ)に近くなると硫黄の臭いがしてきます。 恐山は活火山であり境内にも多数の温泉が湧いています。 境内には公衆浴場もあって白い白濁したお湯が楽しめますし、宿坊に泊まることもできます。

菩提寺に参拝した後、順路に沿って周囲を巡ることができます。 地熱の影響や硫黄成分の付着などで白くなった岩や地肌が荒涼な印象を与えます。 ここを寺では地獄と呼んでいます。

地獄巡りは順路で示された通路を歩くようにしましょう。あちこちから高温の蒸気や温泉が湧いているので勝手に立ち入ると火傷をします。

宇曽利湖

地獄の先に現れるのが白い砂浜が広がり水をたたえた宇曽利湖です。 晴れていれば青空を映して青白く見えたり、ミルキーグリーンのようにみえることもあるでしょう。 わたしはこの湖の風景だけをみるとまるで海外のビーチリゾートに来たのかと錯覚を覚えました。

噴気の上がる地獄を巡った先に美しい湖が現れる。昔の人はこの湖畔を極楽と呼んだその気持ちがわかるような気がします。

湖畔にはカラフルなおもちゃの風車がいくつかみられます。 昔から亡くなった子供を供養するために風車が供えられてきました。

この湖がカルデラ湖で、古代に噴火した火口に水がたまったものです。 水には温泉が流れ込んでいて酸性度が高くなっているので魚は少ない。

恐山には“いたこ”と呼ばれる人がいて、“いたこの口寄せ”をしてくれます。 これは亡くなった人の魂を呼び寄せて、いたこを介して話ができると言われています。 ある種の超常現象というか修行によって得られた力というか不思議な体験ができます。

科学が常識になった現代でもいたこの口寄せで亡くなった人と話ができたという人が少なくありません。

いたこは、下北や南部地域に昔からいたようです。 精神的に神や霊魂とつながることができる不思議な力を持った人たちです。 シャーマンのような存在かもしれません。

恐山の開山は夏から秋に限られます。 冬季は雪が深く立ち入ることはできません。 開山される5月になると、地元のボランティアの方が恐山に続く県道4号沿いの辻々に建てられた地蔵様をキレイにして古くなった赤い服などを替えたりします。

温泉

恐山にも温泉がありますし、周囲には昔から続く温泉があります。 下風呂温泉は、白く白濁したお湯を、薬研温泉(やげんおんせん)では渓谷を眺めながらのお湯を楽しむことができます。

下北では天然記念物のカモシカが稀に現れたりします。露天風呂に浸かっていたら現れたなんて楽しいですよね。なんとむつ市内でも見たという報告があります。 そんな野生動物に出会えるのも自然が豊かな証でしょうね。

恐山の西側には天然記念物にも指定されている北限の猿がみれる“むつ市脇野沢野猿公苑”もあります。

下北はちょっと遠いけど、大自然に触れ合えるとてもいいところです。

マコトの青森が好き