田んぼアート
水田をみたことがありますか? 夏になると稲が伸びて青々とした葉でいっぱいになります。 私は農家だったので夏といえば田んぼに生えた雑草を取ったことを憶えています。
さてこの絵は、その水田に描かれたものです。え!葉に色を付けて描いたの?
いえいえそんなことはしていません。じゃあどうやって描いたの?不思議ですよね。もちろんCGやプロジェクションマッピングではありません。 これは田舎館村が町おこしのために行っている田んぼアートです。今年は映画ローマの休日がテーマです。毎年テーマを決めて作られています。
田舎館村の田んぼアートは日本で初めて作られたもので1993年から行われており今年で25周年になります。 今では全国各地でも行われていますが、その大きさと美しさでは群を抜いています。
どうやって絵を描いているかというと、田んぼに近づいてみるとわかります。上から普通の緑色の葉の稲、次に黒色の稲、下は黄色い稲。 という風に葉の色が異なる稲を組み合わせて絵にしているんです。下からみても絵はわかりません。
まずテーマに沿った絵を作成します。そして田んぼで使える色は限られているので減色をします。更に建物の上からみてちゃんとした絵になるように遠近法を用いて変形します。 春、水田に絵を元にした色分けのための区割りを行います。その区割りにそってボランティアなどで手分けして決められた色の稲を植えていきます。
田植えには田舎館村の子供たちも参加しています。例年6月初旬に行われます。田植えのボランティア募集も行われているので誰でも参加することができます。
植えたばかりの水田はまだ稲が小さいので絵はハッキリとしません。それが段々育って稲が大きくなってくると初めて絵が現れます。 7月くらいから見ごろになり9月末までみることができます。10月には稲刈りも行われます。
田舎館の田んぼアートは2つの会場で行われています。一つは田舎館村役場前と、もう一つは道の駅田舎館です。
どちらの会場も国道102号沿いにあって、第一会場の田舎館村役場はお城のような建物なので遠くからもすぐにわかります。このお城のそばの屋上からアートをみることができます。 第二会場では田んぼのそばにエレベーターが設置されて上からみることができます。今年の第二会場は手塚治虫の作品が描かれています。
どちらの会場も入場チケットを購入すると展望台にあがれます。 また両方を観たいという方のために無料シャトルバスも運行されています。およそ30分毎に運行されているようです。
田舎館村は、青森市の南側です。公共交通機関では、JR弘前駅から弘南鉄道の田んぼアート駅で下車する方法があります。 観光バスで訪れる方もいますので週末は混雑が予想されます。それでも見ごたえ十分。インスタ映えすると思います。
田舎館村はイチゴの栽培に力をいれています。田んぼアートがみれる頃にはイチゴ狩りも楽しめます。一般にイチゴ狩りは春先が多いのですが、春が遅い青森では季節も遅くなります。 また第二会場の道の駅には農産物の産直販売も行われているので新鮮な野菜などを割安で購入することもできます。