凧あげ

凧あげ

青森を車で走っていると、凧が空にあがっているのに気づきます。 子供が凧あげしてるのかな? でもお正月じゃないし。

しかも一か所とかじゃなくて、何度も目にします。 よーくみると、どうもリンゴ畑やブドウ畑など果樹園っていうんですか? そういうところで凧があがってるんです。

鷹

中にはこんな鷹なのかなぁそんな大きな鳥を模したのまであります。 凧は棒の先に紐みたいなのにつながっていて、風が吹けば空を舞っています。

これ実は、農作物をつついて食べてしまう鳥を追い払うためのものなんです。 例えばリンゴは、実が大きいので鳥がくちばしでつついて簡単に食べることができます。 鳥につつかれて穴が開いた実はもう売り物にはなりません。

こうした鳥獣による農作物の被害は想像するよりも大きくて、農家の経営に深刻な影響を与えています。

だからといって鳥につつかれないようにリンゴの木を覆うこともできません。 だってビニールハウスみたいなのを建てていては費用が掛かりすぎます。 そこで鳥が近づくのを怖がるように凧をあげているんです。 鷹は生態系の頂点に君臨する猛禽類なので強くて怖い存在です。 他の鳥も恐れて近づこうとはしません。 そんな鷹を模した凧で被害を軽減したいというわけです。

リンゴの場合、被害は鳥だけではありません。 あまり知られていませんがネズミの被害も深刻です。 せっかくリンゴの木を植えて、数年経てばやっと収穫できるようになるというのに、ネズミは木をかじってしまって、木を枯らしてしまうんです。 枯れちゃうと収穫どころではありません。

農家はネズミ穫りを設置したり駆除薬品を捲くなどしますが、被害はなかなか減りません。 そこで弘前の一部では、リンゴ園に猛禽類のフクロウを住まわせて、フクロウにネズミを捕ってもらう活動をしています。 効果はあるようで他の農家からも相談を受けることがあるようです。

またNHKの「岩合光昭の世界ネコ歩き」では津軽のリンゴ農家が飼っている猫たちが紹介されたこともあります。 これも猫がネズミを捕ってくれることを期待して大切にしている様子が微笑ましいようでしたね。

農業って大変ですね。スーパーで果物が高いとか、野菜が高いとかニュースになったりしますが、自然を相手にするということは自分たちの努力だけではいかんともしがたい事も多いんですね。 農作物は感謝していただきましょう。

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