種差海岸
種差海岸は、青森県の太平洋側、新幹線の八戸駅から八戸線に乗り換えると目の前に蒼色の海が現れます。 天然の芝生地が広がっていて、なだらかな緑の丘とその先に荒々しい岩や海がみえます。
種差海岸駅からも海岸がみえています。道路を渡ると芝生が広がります。晴れた日にはお弁当を持ってレジャーシートの上でごろんと寝転ぶと涼やかな風を感じることができます。 松の木陰から何も考えずに海を眺めているとたまっていたストレスがす~っと消えていくようです。
初夏には桜に似たピンクの花 日本サクラソウが咲きます。数少ない自生地の一つです。 夏にはハマナスやニッコウキスゲなども咲きます。 また秋にはハマギクなども見られます。
種差海岸は、変化に富んだ海岸線が続いています。北は蕪島と呼ばれるところから始まります。 “島”と呼ばれていますが、現在は陸続きになっており、島には神社があります。 火災で焼失して現在再建中です。 蕪島は国の天然記念物に指定されているウミネコの繁殖地です。 例年3月から8月まで子育てをするたくさんのウミネコをみることができます。
蕪島の近くには水族館のマリエントがあって近海の魚などをみることができます。 その先には鮫角灯台があって、荒々しい海岸線があります。 葦毛崎展望台からはその荒々しい海岸線や広がる太平洋を臨めます。
東山魁夷は日本画の巨匠ですが、若い頃は作風などに悩んでいた時期もありました。 「道」という作品があります。東山魁夷が飛躍をするきっかけになった作品の一つです。 絵には道が大きく描かれていて、その先がやや右手にカーブしているのかなと思えるものです。 この作品のモチーフとなった場所が、鮫角灯台を臨む、ここ種差海岸ではないかと考えられています。 東山魁夷自身が明示したわけではありませんが鮫角灯台の素描なども残されており多くの研究者は種差海岸だろうと推定しています。
ウミネコの繁殖地、灯台、荒々しい岩、白い砂浜、緑の芝生など見どころに事欠かないところです。 ゆっくりトレイルできるように遊歩道も整備されています。 またバスで景勝地を巡ることもできます。
八戸駅からこの種差海岸を通ってあまちゃんで有名になった久慈までを結ぶレストラントレイン「東北エモーション」もあります。 午前中はフレンチを楽しみながら久慈へ行き、帰りはデザートをいただくこともできます。「東北エモーション」の楽しみは風景とグルメだけではありません。 有家駅周辺では、地元の方が大漁旗を振っておもてなしをしてくれます。